音楽に思う事 ピアノ曲に想像を楽しむ
To Enjoy Your Imagination on Piano Music
○最近、健康と音(聴覚)の関連性について考えさせられた経緯があります。今回から数回、音色についてお話しさせて頂きたいと思います。 ピアノの音色の特徴 ○主人の作る曲にはピアノ曲やピアノを用いた曲が多いですが、これは子供の頃ピアノを弾いていたからかもしれません。このピアノと言う楽器は、私も弾いていて思う時があるのですが、実に不思議な音色を持つ楽器です。 |
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○ピアノの音色を音波計測しますと、極めて滑らかな波形(図1)である事が判ります。また鍵盤楽器ですので、鍵盤を叩いたその瞬間に最も強い音が出て、その後は鍵盤を離すまで音は徐々に弱まります(減衰と言います)。一旦鳴った音を途中で強くする事は、絶対にできません。弦楽器や管楽器が音を出せるまでに訓練を要するのに対し、ピアノは鍵盤を叩きさえすれば誰でもそれらしい音を出せます。ピアノの音色は単純で機械的であり、音そのものの表情も変化させられません。 ピアノ演奏の上手下手 ○では、素人の演奏と玄人の演奏は、どうして違うのでしょうか? ピアノの音を鳴らす時に変化させられるのは、鍵盤を下に移動する速さ、即ち音の初期強さだけです。だから人によって演奏が異なるのは、この「初期強さ履歴」の差としか考えられません。(鍵盤を抑え続けたり、あるいはペダルによって、フェルトが上がり弦の残響状態が変わったりと現実は複雑なのですが、ここでは単純の為にこう言わせて頂きます。) ○ドレミ♪ と弾いてみましょう。ある人は、全く同じ強さで同じ間隔で弾くかもしれません。しかしこれでは余りに機械的で冷たい、まるで台本の棒読みです。では、強さも間隔も大きく変動させたらどうか? 今度はまとまりがなく聴き苦しいですね。上手に弾くと旋律が語りかけてきて、上手な朗読を聴いている様です。この適正なる「初期強さ履歴」を見つけられるかどうかが、玄人 |
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と素人の境目なのです。「初期強さ履歴」を議論する時には、一つ一つの音単独ではなく、時間的に隣接する音(旋律:図2)や、音程的に隣接する音(和音:図2)同士の相互関係の調整が重要になってきます。ドレミは三つの別々の音ではなく、一つのまとまった音として認識されるのです。まとめ方次第で様々な表情が付くと言う訳です。ここにピアノ演奏者の感性が反映され、聴衆の感覚に訴える感動が包含されるのです。これはあらゆる楽器に | ||
共通の演奏技術ですが、殊に音そのものに表情を付けられないピアノにおいては、この演奏技術が演奏の全てとなります。 |
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