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ここは、「扉頁音楽に思う事」章の「独り言/Beethovenトルコ行進曲」節です。


音楽に思う事 ベートーヴェンのトルコ行進曲
Tuerkischen Marsch composed by Beethoven

トルコ行進曲の楽譜
  先日、刈谷総合病院東分院さんで実施した音楽療法的音楽会で、トルコ行進曲を演奏しました。トルコ行進曲と言うとモーツァルトの奏鳴曲第11番の第3楽章を連想される方が多いと思いますが、ベートーヴェンも実はトルコ行進曲を作っています。
  病院で弾くので楽譜を探してみたのですが、東海教室の手元にはありませんでした。そう言えば、弾いた事はありません。
  善行教室(主人の実家で姑が長です)で探したところ、ベートーヴェン全集‥‥100%揃ってないのですが‥‥にはありませんでした。変だなと思いながら他の楽譜を当たったところ、初級者向けの楽譜にハ長調で載っていました。ここでハタと思い出しましたが、あれ、この曲こんなに簡単な曲だったかしら?
  昔演奏会で聴いた記憶では、オクターブの連発、複雑な装飾音と和音‥‥とても初級者向けの曲ではなかったと思います。また、ハ長調ではなく、変ロ長調だったと思います。すると見つかった楽譜は、原曲を簡単にしたものなのでしょうか?
最初は管弦楽
  いろいろ調べたところ、実は現存しているトルコ行進曲という曲は、もともと付随音楽「アテネの廃墟」に用いられた劇音楽の一曲で、管弦楽曲だったと言う事が判りました。ベートーヴェンは宮廷楽師だったので、国王に一番に聞いて頂いた際にはピアノ曲編曲版でベートーヴェン自ら弾いたのかも知れません。
  現在は、ピアノ曲の「トルコ行進曲」も一人歩きしている観があります。この曲は、管弦楽曲でもあり、ピアノ独奏曲でもある訳ですね。但し、変ロ長調のピアノ原曲譜は非常に難しい技法を要するので、ハ長調の簡単な譜の方が有名かも知れません。
変奏曲もあった
  ところで私は、ベートーヴェン全集の変奏曲集を全然見ませんでした。名前からてっきり行進曲、つまり小品だと思い込んでいたからです。
  しかし後で知って驚きなのは、この主題旋律でベートーヴェンは変奏曲を作っていました。Op.76、アテネの廃墟からのトルコ行進曲により6つの変奏曲、ニ長調です。最初にこの曲が出来、その後に作曲したアテネの廃墟に、ベートーヴェンは同じ主題で「トルコ行進曲」と言う別の曲を作曲したのです。
  ベートーヴェンは、幾つかの気に入った旋律を、ピアノ変奏曲と管弦楽の両方で用いています。例えば、交響曲第3番の第4楽章主題、バレエ音楽「プロメテウスの創造物」の終曲主題が挙げられます。
謝辞
  調べてみると知らない事も多く、まだまだ未熟だと思い知らされます。ピアノガーデンマツイシさんにも、いろいろお調べ頂きました。ありがとうございました。

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